オゾン水による食品戦争の効果を考えてみましょう。
オゾンは、酸素分子と酸素原子から成り、オゾンによる直接反応と、オゾンの分解により生じるOHラジカルというとても反応性の激しい酸化剤となって、多くの酸化分解作用を引き起こします。
このことにより、オゾン水は従来の化学薬品系(塩素系)の殺菌剤の数百倍以上の殺菌力を有し、脱臭性、漂白力、さらに2次的効果による鮮度保持、農薬分解作用など、さまざまな有益効果を備えているのです。
つまり、野菜の洗浄や殺菌など食品の洗浄や殺菌に効果絶大というわけなのです。
最近では、オゾン水の殺菌効果を利用した野菜洗浄機なるものも登場しているくらいです。
雑菌は強固な細胞壁に覆われていて、細菌自身を堅固に保護しています。
細胞壁の周りに水がありますと、オゾンから分離した酸素原子と反応してヒドロキシラジカルが細胞壁の周りに生成されます。
このヒドロキシラジカルの酸化力は、酸素原子よりも強く、細胞壁を酸化して破壊・分解しますから、オゾン水は気体のオゾンより強力な消毒殺菌効果が得られます。
気体としてのオゾンは、その毒性によって高度な濃度管理が求められますから、オゾンガスをミキシング、またはバブリングと呼ばれる手法で水に溶け込ませたり、電気分解によって水に含まれる酸素を利用して作るオゾン水として活用されるケースが増加傾向にあります。
オゾンの不安定な性質によって数十分で水に戻りますから、残留性のない殺菌水として使用できる他、塩素系殺菌剤やエタノール系殺菌剤を使用できないところにも使用できます。
ヨーロッパでは医療への有効活用が多数試されていますが、その効果が公表されています。
トリハロメタンに限らず有機ハロゲン系の化合物は、蓄積性がありますから恐ろしいものです。
これらの化合物はガンを誘発する上に、身体の脂肪に溶けやすい性質を持っていますから、日々体内に蓄積されていくわけです。
自然水(井戸水)には、トリハロメタンは存在していません。
オゾン水処理によって、トリハロメタンや塩素を分解・消臭をします。
オゾン水は食品の殺菌・洗浄だけではなく、風味を良くする効果もあります。
野菜は時間の経過とともに変色したり、しんなりとして新鮮味が失われますが、オゾン水に浸けておくことで賞味期限を伸ばすことができます。
時間経過による変色を抑制し、食感や色味も良くなることから、多くの食品メーカーがすでにオゾン水を利用しているのです。
家庭の調理で嫌がられる魚の生臭さにもオゾン水は効果を発揮します。
調理前の魚をオゾン水に数分つけておくだけで、驚くほどに生臭さがなくなり、出来上がった料理自体も美味しくなり、調理後の生ゴミのニオイを抑制することにもつながります。
もちろんまな板などの調理器具に付いた魚介類独特の悪臭を抑える効果もあります。
オゾン水は、殺菌と防臭の対象とするものに効果があるだけではなく、水そのものを美味しくします。
短時間オゾン水であったものが、数十分もすると「無菌水」に変わりますから、水道水をそのまま飲むよりも味が良くなるのです。
この水の美味しさを利用して、お茶・コーヒー・紅茶・炊飯、その他の調理用水として利用すると風味も格段にアップします。
料理に使う様々な食材は、個別に洗浄方法や下処理の方法、また保存方法も違います。
オゾン水を使うと、食材の処理行程の多くの部分を「オゾン水に浸ける」という一つの方法で省略することができるので、調理の効率化をはかることができるのです。
実は、プロの現場でオゾン水が使われる最大の理由はこの部分だとも言えます。
オゾン水を調理の下準備に採用することで、洗剤・除菌剤などのコストをカットし、前行程のいくつかを省略できるのは、プロだけはなく一般家庭でもメリットがあります。
オゾン水を利用することは、家庭の食生活に安全性と時間の省略・コストの削減をもたらします。
残留農薬や食中毒、化学物質アレルギーなどの食の危険性における問題を、オゾン水は一度に解決することができるのです。