どうして、オゾン水で殺菌、洗浄、あるいは脱臭ができるのでしょうか。
オゾンによる殺菌、オゾン水による殺菌は溶菌と呼ばれ、オゾン自体が分解時に発生する酸素原子の強力な酸化力で細胞の細胞壁を破壊、または分解することにより起こります。
細胞壁を失った細菌は、細胞内の成分が外部に漏れ出る溶菌作用が生じて、瞬時に死滅します。
このように細胞そのものを確実に破壊してしまう仕組みとなっていますから、問題となっている耐性菌が生まれる心配がないのです。
カビ菌の殺菌についても同じ作用で大きな効果を発揮しています。私たちの身の回りにもオゾンは存在していますが、その濃度は0.005ppm程度です。 0.01~0.02ppmで多少の臭いがするのでしたら、その5000倍の濃度の50ppmのオゾンの臭いでしたら想像を絶することでしょう。
しかし、これほど高濃度のオゾンに曝露されるということは、人工的にオゾンを作り出して、充満した部屋にでも閉じ込められことがない限り、有り得ないことでしょう。
また、放射線とは違って、嗅覚がオゾンを認識できますから、知らないうちに50ppmのオゾンに晒されるようなことはないのです。
ゴキブリは、昼間は物陰に隠れていますが、夜間はエサ求めて活動が活発になります。その繁殖力が強力で数が減らず、隠れるのも上手でなかなか退治できないものです。
ゴキブリは、情報交換に自ら発生するフェロモンを利用していることが判っています。 食事、あるいは繁殖にこのフェロモンが使用されたり、また粘着性の捕獲器に捕まっても捕まったゴキブリが情報を発してなかなか数多く捕まりません。
オゾン水を使用しますと、このゴキブリの出すフェロモンを分解して情報伝達をかく乱することが可能です。 次第に活動しににくくなって数が減ってきます。ただし、茶羽ゴキブリ、また小さいものは効果が若干劣るとされています。
しかしながら、1ヶ月程度使用しますと格段にその数は減少するということです。
オゾン水の菌や害虫に対しての効果の高さは、農業分野にも注目されすでに普及しはじめています。
農業のほとんどが野外において常に菌類と害虫の被害と密接な関係にあることは、ここで解説するまでもありません。
これまで、その対策として取られていた方法の柱は「農薬」です。
生産者は農薬による健康被害への危険性はある程度認知しています。
しかし、農薬を使用するのと無農薬にするのとでは、生産量に大きな差ができること、また収穫できる農作物の品質にも影響が出ることから、国内のほとんどとも言える農作物生産者が農薬を使用しているのが現状です。
そして、この農業と害虫との問題に対し、現時点での最良と思われる方法がオゾン水ではないかと考えられているのです。
農業分野でオゾン水を利用する方法は大きく分けて2つあります。
一つは農場の害虫駆除です。
農作物に様々な病気をもたらす、土壌の中、あるいは飛散する害虫類を駆除する効果が認められています。
もう一つは、発芽確率を高めることです。
農業において、種子から発芽させる段階は難易度が高く、この確率を高めることが生産性の向上につながります。
植物の発芽には多量の酸素と水を必要とします。
水は人工的に与えることができますが、その際に害虫と菌類が繁殖し、含有酸素を消費してしまうことで種子の発芽を阻害するです。
発芽時にオゾン水を用いることで、農業水に生息する害虫と菌類の繁殖を抑え、発芽に必要な水分と酸素を十分に供給し、発芽率を高めることができるのです。
オゾン水の菌や害虫に対しての駆除・殺菌効果と、自然環境に害を与えないという2つの性質は、これまで農薬や除菌剤・洗剤などに頼るしかなかった、様々な衛生管理の必要な現場の環境を改善するものとして注目されています。
また、化学薬品系の殺菌・除菌・防臭剤を使うよりも、はるかにコストも安くなることから、未来型の衛生管理製品としてさらに普及していくはずです。